第12回公開授業
3年選択「年賀状orクリスマスカードを作ろう」
研究授業  
意見交換会  

平成14年10月28日(月) 第5〜7限
精華高等学校
3年情報科
授業者 村上 徹



研究授業  選択 「年賀状orクリスマスカードを作ろう」

 今回は,やや難しい立体のコンピュータグラフィック(3DCG)制作の授業を見せて頂きました。3DCGの作品を入れて「年賀状orクリスマスカードを作ろう」という事を行っています。3年生対象の選択授業で74名を二つのグループに分けて、コンピュータ室と図書室の二箇所で開講しています。授業の目標を、「自分の伝えたイメージを3DCGを用いて伝える事ができるか」と設定し、今回の授業に望みました。

Pov-Rayの画面。この授業は、主にPov-Ray(フリーソフト)というソフトを使って3DCGの作成を行っています。右の写真ですが、このソフトはテキストベースのソフトで、高校生は数字を入れるのに悪戦苦闘!?していましたが、なかなかいい作品ができています。詳しくは授業中の風景写真で。

 4月から6月の授業開始時は、ペイントソフトを使って、2Dの絵を描きました。その間に、色の概念(RGBなど)や、ドットの概念など、画像の基本的な考え方について授業を行っています。また、描いた絵にワードアートで作った文字を貼り付けたりなどを行い、2Dの概念を学んでいきました。

 6月くらいから3Dに入りました。まずは、3Dの基礎知識や座標について、また3Dには欠かせないオブジェクト、カメラ、ライトについて学んでいきました。そして、1学期間に学んだことをペーパーテストで復習(??)をしました。そして、今回の授業に臨みました。(→参照)

年賀状orクリスマスカードを作ろう(授業中)

 今回は、3DCGで自分自身の考えている年賀状やクリスマスカードにマッチするオブジェを作っていました。本時の授業の目標を、カードに挿入する3DCGの作成と設定し、制作過程で感性を養うきっかけになるように、また高校生が自発的に深く研究したくなるように、村上先生は授業を進めておられました。

 授業の始めに先生は、独楽(こま)や雪だるまを作りながらソフトの使い方の説明を行いました。高校生は以前に詳しい説明を受けていたため、当日は詳しい説明はあまりなかったのですが、周りの生徒同士で教えあって進めていたり、一人で黙々と作ったりと、様々な方法で思い思いの作品を作っていきました。また、作業の途中でどうしていいかわからなくなった生徒の、「先生〜教えて〜」という声も聞かれました。

説明の様子。  授業中の風景。 

 授業中は、見学に来られた先生方もこのソフトを使ったり、高校生の質問に答えたりと、一緒になって授業に取り組んでいました。そうしていくうちに授業時間が終わりました。

 先生の感想として、3Dを授業に使うということにびっくりされていました。また、できている生徒の作品を見て、その完成度にまたびっくりされていました。

 

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意見交換会

司会:長尾 尚 先生(信愛女学院)
パネラー:村上 徹先生(精華高校)

記録:伊美 聡(関西大学大学院)

意見交流会の様子。 意見交換会では、今回の授業について活発な話し合いがされました。今回の授業に触発された先生方もたくさんいらっしゃったようです。


3DCGを授業に取り入れることについて

Q:今日の授業は、ソフトを使う前から何時間目ですか?(糸川:帝塚山学院泉ヶ丘)
週1のペースで行っていて、今回は夏休み前から8回目です。
制作に入ってから今回で2時間目で、あと4回くらいかかる予定。生徒を見ながら行いたいが、生徒が作品を提出して終りとしたいです。(村上)

Q:評価はどのようにしておられますか?(糸川)
座学はペーパーテストを行い、実習は作品提出を前提に行っています。そして、総合評価、自己評価を行う予定です。
ペーパーテストは、CG検定を参考に作りました。座学では練習問題をしないで、実習中に行っています。テスト中に、シャーペンや消しゴムを使って空間座標を考えていた生徒もいます。しかしながら,今後の評価の方法が難しい。作品自体の芸術的なものを評価するか、数学的な観点から評価するのか,検討中です。(村上)

Q:このようなことは数学の授業でも活用できるのではないか?(長尾)
数値を変えるだけでできるものなら、数時間でできるのではないか。生徒に作品を作らせると多くの時間がかかると思う。(糸川)
クリエイティブという部分より、空間についてわかってもらうという意味で数学で使いたい。
(小林:清教学園)


情報として何をねらいとするのか?(グループ討議)

必修になると難しいのでは?総合や選択ならできる可能性はある。(西田:泉大津)
生徒の発言を引き出す、興味をもつことも狙いの一つとしてあげてもいいのでは?(長尾)
数学でうまく使えそうだが、CGの狙いはそれでは違うのでは?(成瀬:京都女子)
コンピュータビジネス、デザイン、音楽のツールに分かれるので。導入部分はビジネス系のツールでいいと思う。見えるものを加工する段階から、数字やコマンドを入力して目に見えるものを作るという意味で、これは面白いのでは?(奥野:キャリアリンク)
府立芥川高校で情報を教えたりもしているが、ワードやエクセルを教える程度なので、これは難しいと考える。話から、概念的なもの、例えばタグや、コマンド的な使い方ができる生徒じゃないとなかなか乗ってこないのでは?(伊美:関西大学)
PowerPointで紙芝居を作るということや、VisualBasicで紙芝居、と同じ発想である。コンピュータの中身がわかるというステップのひとつとしていいのでは?(市川:信愛女学院)
来年の情報施行に向けて何を行うか、考えている段階である。このようなCGを使った実習は、シュミレーションなどを見せる導入の実習として取りいれることとは面白いのではないか?
生徒自身が作品を作るということはすぐには難しいと考えるが、パソコンを教え始めたあたり、6〜7月あたりに実演をする形で行うことがいいのではないか。またフリーソフトのため、家でダウンロードして使えるということもとてもいいと思う。(糸川)

そのほかのご意見

Q:なぜPov-Rayを使うことにしたのですか?(津田:薫英女学院)
このソフトは、細かいところまできれいにできるソフトだったからです。例えば、大気の霧なども表現できるというところ。これを使って、ここまでできるというインパクトを示したかったです。
また、このソフトはテキストベースのソフトということも使うことにした理由です。まず、個人的にモデリングソフトは、苦手なところもあります。モデリングソフトは、自分の考えもつかなかった結果が出る可能性がりますが、テキストベースだと、頭で考えたとおりの形になるから、テキストベースのものを使うことにしました。また、モデリングソフトはこれからも使うことがあると思うが、テキストベースはこれ以降使うことはないと思います。それを今やることもいいと思います。
(村上)

今回の授業は、HTMLをタグで作るかどうかの議論に似ていると思う。ソフトで作ったものは、いいものはできるが、タグを知っていると、細かい修正が可能であり、また作りたいイメージを考えながら作ることは可能である。ソフトで作ったものよりも、より自分のイメージ通りのものを作る事ができるのではないでしょうか。(村上)

・簡単な作品を作ってすぐに自分自身の作品を作る前に、例えば得コンテを作るような段階を設けるべきではないか。(稲垣:関西大学大学院)

 


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