第18回公開授業
 単位制 情報A
「お気に入りのwebページを紹介しよう!」
研究授業
意見交換会

平成15年6月27日(金) V,W限
向陽台高等学校  http://www.koyodai.ed.jp/

授業者 吉田 泰明 先生(担当:情報)



研究授業
    情報A「お気に入りのwebページを紹介しよう!」




(PDFファイル)  

 今回は、向陽台高等学校におじゃましました。キャラバン初の単位制ということで、お見えになった先生方はいつにもまして熱心に見学され、意見交換会も活発なものになりました。向陽台高校単位制は5期制でスクーリングを実施されており、今回は2期目にあたるスクーリング5回(計10時間)のうち5,6時間目を見学させていただきました。

授業風景

 スクーリングの単元は、「お気に入りのwebページを紹介しよう!」です。今日までに、初回(1,2時間目)はコンピュータに慣れた人も慣れていない人もひと通りのコンピュータの基本操作を確認し、前回(3,4時間目)は決めたテーマに沿って自分自身のお気に入りのページをインターネットで検索することに主眼をおいて展開されたそうです。

 そして今日(5,6時間目)、「本当は前の時間にパワーポイントの操作に慣れさせておきたかったのですが・・・」(吉田先生)、まずはパワーポイントの基本を吉田先生の誘導で体験した後、それぞれがスライド制作(1枚目)に入りました。

 時間の経過とともに個性豊かなプレゼンテーションスライドに仕上がっていきました。「いつもより生徒から操作法などの質問が少なかった」(吉田先生)と。見学されていた先生方の多さや、吉田先生の緊張感を察知して遠慮していたのかも知れません。

授業風景。   今日の計画。

実習風景。    教えあう風景。

 来週以降は、スライド(2枚目まで)を完成させて、生徒自らスライドを自己分析します。また、制作したスライドに対して著作権問題について議論しあったり、相互評価もおこなう予定で、評価に関してはお互いの良いところを見つけあうことにポイントを置かれるそうです。

生徒の作品1。 生徒の作品2。 生徒の作品3。

top

意見交換会

司会:長尾 尚 先生(信愛女学院)
パネラー:吉田 泰明 先生(向陽台高等学校)
記録:坂田 篤志(関西大学)伊美 聡(関西大学大学院)

今回の意見交換会は、単位制の学校での情報教育のあり方や、教科書についてなど、とても大切な事項について議論を深めました。

参加者の方からの質問(長尾)

吉田先生。 長尾先生。 Q:授業について
単位制高校の授業をみてどう思いましたか?
生徒は自由な雰囲気だと思いました。公立だとびしっとさせないと駄目だとおもいます。 (山下:府立阿武野)
すごい生徒の能力が高いと思いました。デザイン感覚がすばらしいと思いました。 (糸川:帝塚山泉ヶ丘)
自己表現をしたくてうずうずしている生徒が多いという印象を持ちました。 (宮浦:須磨学園)

Q:授業が成功したのは何故だと思いますか?
3つあると思います。ひとつは、パワーポイントを一枚に限定し、そこに凝縮したこと。あと、著作権を扱わなかったこと。吉田先生の生徒へのなげかけも成功につながったと思います。 (長尾:信愛)
自分の興味を持っているものを伝えるという形だったからだと思います。
あと、もしこの単元が文字情報だったら伝えるときに困ってしまうと思います。思ったことを論理的に説明しなさいという形では上手くいかなかったという点もあります。。しかしながら、今回のほうが正しいのかもしれません。 (吉澤:キャリアリンク)

Q:アプリケーションについて
パワーポイントで授業をやっておられる先生は?
私はワードから入りましたが、PPを最初に持ってきたいなと思いました。パワーポイントはワードと似てるけれど、操作が簡単だと思いました。 (南:賢明)
去年はワードをやったり、パワーポイントをやったりしました。しかし、生徒が楽しそうに授業に取り組んでいたのはパワーポイントです。文字入力の時に嫌だと言っていた生徒が、自分のやりたいテーマでなら楽しそうにやっていたと思います。 (吉田:向陽台)

質問の風景。 Q:ワードの時に生徒に何か目標をもってさせていますか?
ワードでポスターと広告を作った。文字はあまり打たなくてすむ。生徒も楽しくやっていた。 (飯田:四條畷学園)
ワードの機能を一通りマスターしてから、自分がビジネス文章を作るという設定でテーマを与えて、それにあうビジネス文章を作らせた。 (糸川:帝塚山泉ヶ丘)

Q:グループワークで困ることは? 提出期限までなにもしない生徒が多い。本人は楽しそうにやっているが、教える側は大変です。 (伊美:関西大学)
一番困るのは評価です。みんな真面目にやっているけれど、全員に70点あげるわけにはいかないです。 (糸川:帝塚山学院泉ヶ丘)
グループでの評価を行うのが一番困ります。私は、連帯責任として、グループ内で同じ点数にしています。会社だったら、しない人もする人もいます。納得しない生徒もいるが、社会は厳しいと教えたい(松本:大阪学院)

VBBからの質問(長尾)

意見交換会の様子。 Q:Aより:生徒は情報の授業はコンピュータって意識が強いことについて 小学校や中学校と一緒の内容と思われるのは避けたいです。目新しいところを扱うことが情報だと思います。 (吉田)
生徒も先生もアプリケーションから脱却してほしいですね。使い方を教えるのではなく、コンピュータがなくてもできるくらいが良いと思います。手段はなんでもいいので、情報が他の教科でも使えるように、適切な情報を選択できるようになってほしいです。 (山下)

Q:Fより:教科書をどのように使っていますか? レポートを書かせるときに参照するくらいにしか使っていません。教科書は抽象的すぎてわからないので。 (吉田)
去年は教科書を一通りこなしましたが、授業では使えないと思いました。アプリケーションををこまごまとやってもなにも残らないと思います。もし、アプリケーションの使い方などをやるならとことんやらないと駄目だと思います。 (宮浦)
目標と目的があって、教科書は生徒が目指すものとマッチングしないと駄目だと思います。 (奥田:大阪国際大和田)
それぞれのニーズにあったものに対応していかないといけないと思います。単位制の特長みたいなものを普通高校でどう生かすか、今後の課題ではないでしょうか? (長尾)


top back