第14回公開授業
3年英語「AGREE or DISAGREE」
研究授業  
意見交換会  

平成14年11月29日(金) 第6限
羽衣学園高等学校
3年特進コース
授業者 米田謙三先生



研究授業  英語 「AGREE or DISAGREE」

 2002年最後のキャラバンが羽衣学園高等学校で行われ,「英語・情報・総合的な学習」をミックスしたクロスカリキュラムでの授業でした。

      

 米田先生は、担任であるクラス(特進コース)の英語の授業を週9時間受け持っておられるそうです。日に2時間も教室の黒板を前にしての授業ばかりでは生徒らは退屈してしまいます。そんな時,気分転換を兼ねコンピュータ室でこんな楽しい授業をやってもらえば,生徒らは楽しくイキイキと学習することができますね。

 ベネッセの英語教材を使って,Lesson 4 「Only As Old As You Feel ?」をリスニング。生徒らはその内容の主旨をコンピュータを使ってVBBに書き込みます。それを2,3回繰り返し,より内容をつかんでいきます。

 日本では,ニュースや新聞で個人名の後ろに必ず( )付きで年齢を明らかにしますが,外国ではその習慣はありません。その事に対して,「Agree」か「Disagree」かを,また,なぜそう思うかをVBBに書き込ませます。他の生徒らが書き込んだ意見を読み,さらに自分の考えをシフトアップし相手(反対意見側)に納得いくように考えをまとめていきます。

 この授業での米田先生のねらいは,特進コースの英語ということで,入試に対応する速読・読解力・リスニング力・ライティング力を身につけさせるというところにおいておられます。

 その後、前回のテーマ『集団主義について あなたはどう思う?』について「Agree」か「Disagree」かをプレゼンテーションしました。このプレゼンテーションは、とても和やかな雰囲気の中、発表者のはっきりとした主張にとても感心しました。この場の雰囲気は、米田先生とクラスの生徒らとの信頼関係から来るものなのでしょうね。

      

授業者のコメント

英語を学ぶ意義と共有(受験英語と情報化)


米田謙三先生
これが現在私が取り組んでいるテーマです。受験に活かすだけでなく情報活用能力も身につけて欲しいとの願いからこの取り組みを始めました。大学受験には、情報の授業はいらないという声も聞きます。その声にも答えることができるような授業での使い方や取り組みの一つになればと考えています。
今回の公開授業ではいろいろな場面を見てもらわないといけないという思いがあったので、少し急ぎ足になったので少しわかりにくい点もあったと思います。が、結果的にあとからいろいろなご意見・ご指摘をいただくことができました。そのご意見・ご指摘を参考に これからも授業の情報化に取り組んでいくつもりです。いい教科の情報化の例がありましたら教えて下さい。

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意見交換会

司会:長尾 尚 先生(信愛女学院)
記録:市川 隆司(信愛女学院)

参加者の自己紹介から意見交換会が始まりました。今回のキャラバンは、英語の授業ということで、参加された先生方の中には、英語担当の先生方が目立ちました。
Q: 今日の授業の印象はどうだったでしょうか?(司会:長尾)

VBBについてよく理解できた。一人が意見を書き込むと次々に意見が出てくるところが参考になった。頭の中の思考もそうなっていると感じる。(上宮太子:山原 英語)

インタラクティブ性が高かった。ヒアリングの内容が長いので、もう少し短く2,3回に分割してもよっかった。(帝塚山学院泉ヶ丘:辻 英語)

これからスタート。初めて参加。中学生の興味関心を引きやすいのではないか。展開が豊富に出来る。とても参考になった。(初芝中学:松本 英語)

一斉に多くの意見を見れるのでよかった。(大阪国際大和田中学:福田 英語)

自分のわからないことが、ボードで情報共有できることがよい。もっと聞き取れたことを短く書き込めばよい。(府立信太:浜崎)

Q: 情報の観点から、情報が共有できるのがいいですね。(司会:長尾)

なりすまして誤った情報を書き込んで、他人に頼り過ぎないように配慮することもある。(米田)

このVBBならば間違っていても勇気を出して、書き込める。(須磨学園:宮浦)

Q: 英語と情報発信の境目はどうなっているのか。聞き取ったことを書き込むだけであった。自らの情報を発信するという点はどうなのか。(キャリアリンク:吉澤)

基本は英語学習。進学クラスは実績が必要。センター入試に対応する速読力と長文読解力。リスニングは理解を高める目的。ディスカッションで自分の意見を述べる。役割を分担する。(米田)

Q: 確認はどうするのか。(司会:長尾)

実際には2時間分の授業となる。(米田)

Q: 進学に組み込むのはどうしたらよいか。基礎学力を上げてほしいと言われる学校もあるだろう。情報活用能力が他に転移できるか。情報手段がどのように活かされるのか。(司会:長尾)

教材プリントをWordで配布。自主学習に活用。生徒はFDで持って帰る。(米田)

意見共有で相乗効果がある。今後の制作に活かしたい。先生の活用方法で生徒のいきいき感がちがう。スクリプトはデータ化されている。意見を書き込むホームページを用意している。(ベネッセ)

Q: 生徒は喜んで授業を受けているが、どの先生でも活用できるのか。(司会:長尾)

いつもと違う環境なので、気分転換にもなる。生徒は週に9時間私の授業を受けている。生徒の半分程度はFDで教材を持って帰っている。スキルに差があるので、画面で入力する。プリントアウトで書き込む。(米田)

Q: 授業外でのコミュニケーション。e-learningはどうでしょう。(キャリアリンク:吉澤)

プレゼン。海外の生徒と交流したい。ニューヨークの高校と交流している。年齢や集団主義などのことについて質問させたい。(米田)

PowerPointでのプレゼンには翻訳ソフトを活用しているのか?(辻)

使っている。Excite翻訳など。わからない単語も辞書、電子辞書、gooなどで調べさせている。(米田)

Q: 進学クラスほど情報手段は大学入学後必要となる。進学にも必要だということを説得するにはどうするのか。(司会:長尾)

娘は自分の学校の特進コースにいたため、情報の授業は全く受けていない。大学入学後レポートはWordで提出を義務づけられた。大学で情報の授業を取れなかった。3回生でプレゼンをやらされた。自分は必要だと思うので、担当教科で利用する機会を設けている。(四條畷学園:飯田)

Q: タイピングに差がある。打つのは苦手な生徒は書き込まないと思うが、それは評価に反映するか。(府立信太:浜崎)

いちばん悩むことです。ホームルームとしてやっている。(米田)

Q: 意欲関心ではない。リスニングは出来ても、打つのは苦手な生徒がいる。それをどう評価するのか。(府立信太:浜崎)

評価はしないと言っている。まったく出来ないと将来苦労する。英語に対する興味を高めたい。(米田)

Q: 動機付けなら評価する必要はないかと思う。面白いかどうかで動機付けにつながる。(司会:長尾)

英語の授業だが、ヒントをもらった。来年度からPCを活用した授業をしたい。自作はなかなか困難なので、コンテンツがほしい。ネットワークを通したツールとした場合、進学にも、不登校などの問題に対応できるのではないか。(神戸国際大学附属:大木)

ひとりひとりがPCを使うと絶対に全員が参加する。道具としてのPCが自然に授業に入っている。自分を操作する時間とプレゼンを見る時間があり、メリハリがあってよかった。(賢明学院:南)

授業で触発されることが大切。ただデジタルコンテンツがあるだけでは、利用されるかどうか。それを教員がどう活用するかが課題である。(司会:長尾)

キャラバンも14回を迎え、今年の最終となる。来年は1月からプール学院で、中学校の総合的な学習の時間を取り上げる。1月21日。ぜひご参加を。2月四條畷学園で。近隣の商店街に取材、チラシを制作する。3月発表大会。インテルの参加ももう少し余裕があるので、参加者がいればお早めに。(四條畷学園:飯田)

Q: 今日はVBBのサーバが不調で、制作者の小林先生が調整に追われた。授業には何とか間に合ったが。

鳳の駅から連絡をもらって自宅にもどった。モデムがフリーズしていた。 (清教学園:小林)

 


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