第59回公開授業

情報 「情報倫理教育」
英語 「国際交流学習」
研究授業
意見交換会
平成20年11月14日(金)
京都橘高等学校

授業者: 長谷川 先生(情報)
授業者: 山 本 先生(情報)



研究授業  6限 情報A「情報リテラシー」  7限 情報A「情報リテラシー」

 

11月14日(金) 5,6限(13:20〜15:00)

5限目(13:20〜) 長谷川先生
6限目(14:15〜) 山 本先生

どちらも高校1年生

授業内容:とぢらも「メディアリテラシー」 

授業概要:

テーマはメディアリテラシーです。
授業の目的はメディアを批判的に読み解く姿勢を身につけることです。

生徒には「ニュースの内容はどれも同じか」という問いを出しています。
この問いには2つの問題が含まれています。
一つは、そのメディアが報道している(記事にしている)出来事が同じかという問題。
もう一つは、同じ出来事を記事にしているとき、その主張は同じかという問題です。
授業ではこの2つの問題について考えていきます。
5時間目は前者、6時間目は後者の問題を扱います。

■5時間目
Al Jazeera English(カタール)とFOXNews.com(アメリカ)の記事を読み比べます。
記事は英語で書かれています。その記事の内容を理解することは、生徒には困難です。
授業では記事のリード文だけを訳し、そこから記事の対象国を割り出します。
そして、それぞれのメディアが記事の対照としている国の傾向を調べます。

■6時間目
集団自決判決に対する2つの記事を読み比べます。
沖縄ノートの記述をめぐって、大江健三郎と元軍人が裁判で争っていましたが、その判決が出ました。
今年3月の大阪地裁の判決に関する、新聞2紙の社説を読み比べます。
集団自決に対する見解が、読み方(見出しだけを見る・さっと読む・じっくり読む)でどのように変化するのかに注目します。


授業風景 6限 情報A「情報倫理教育」
なだらかな坂を上がってくると正門につきます。この学校は、クラブ活動も盛んでとても頑張っているようです。素晴らしい成績を残したクラブをたたえる横断幕が貼られていました。 情報教室は、横長で長い辺の方向に教卓があり、教卓を挟んで2枚のスクリーンが左右にあります。広々した教室です。
長谷川先生の授業が始まります。挨拶をして、本日の授業の説明をされます。
どこの国のニュースが、沢山取り上げられていると思うかを生徒に尋ねて、画面に書いたりしています。
生徒たちは、国の名前や場所は、すぐには、浮かんでこないようでした。
長谷川先生は、地図を示しながら色々とヒントを出していきます。生徒との楽しい会話が進んでいきます。
どの国がニュースによく取り上げられているのかを予め用意してあった白地図に色をつけて示しています。
時期の問題もあるようですが、やはりアメリカがいつも話題に上る国になっているようです。 写真を示しながら多方面からのヒントを提示して、生徒たちに考えさせています。
生徒への指示が、前面のスクリーンに大きく映し出されます。それは、パワーポイントではなく、必要に応じて書き込めたりしやすいメモ帳を使っておられました。この利用方法を自分も使ってみようと感じた参加者もいたようです。
生徒は、背中合わせの4名程度でチームを組んで、役割を分担して、ニュース記事の内容を読み、どの国かを記入していきます。その際には、表計算シートを使っていました。


ニュースは、英語で見出しと概要記事が載っています。そこを読んでどの国について書いてあるのかを一番、右の欄に記入していく作業です。 ペアーになって作業を進めていっていました。
)情報科からの連絡というページが出来上がっていて、そこにアクセスをすると様々なデータを開くことができるようになっています。 生徒の使うPC本体の上に、紙で折った小舟がおいてありました。よく見ると中に消しゴムのかすが入っていました。生徒たちは、消しゴムを使った後は、カスを机に残さずにこの舟の中に入れて帰るようです。とても細かな配慮がなされています。
作業が、少し予想していたよりも時間がかかっているので、長谷川先生が再び支持をだしています。 生徒たちも徐々に集中度合いが高まり、私語をする生徒も減ってきました。
またメモ帳に次の作業が提示されます。 そうこうしている内に終了時間を迎えました。次回までにしておくべき作業を伝えて終わりです。
   
   
授業風景 7限 英語「国際交流学習」
6時間目は、山本先生の授業です。元気よく挨拶をして開始です。
まずはじめに今日の授業の説明から入ります。
今日の授業は、メディアがニュースを正しく伝えているのか、といった内容です。
長谷川先生と同じく、メモ帳で本日の作業についての説明が提示されます。
この学年は、年が明けると沖縄に旅行にいくそうです。そこで沖縄県の島の写真を提示して生徒に知っているかどうかを尋ねます。 またグーグルで地図を拡大提示して、本日の授業で扱うニュースが、実は、沖縄戦に関係したものであると話を続けていきます。
その後、写真を提示して生徒に知っているかどうかを尋ねます。写真の人は、大江健三郎氏です。 彼の書いた「沖縄ノート」の内容を説明します。果たして当時、沖縄に駐留していた日本軍が、本土決戦になるので地域の住民に集団自決を迫ったのかどうかが、大きな争点であることを説明しています。
集団自決の意味がわからない生徒がいては困るので、それについても説明しています。 さて、ここからアンケートの説明にはいります。生徒は、何度か新聞記事を読むわけですが、3秒、30秒、3分、と時間を刻みながら記述内容に対してどう感じたのかを表計算で作ってあるアンケートに答えていきます。
半数の生徒には、朝日新聞の記事が、そして残りの生徒には、読売の記事が、裏返しに配られます。ストップウォッチを持った山本先生が、読み方について少し説明しています。
読み始めたとたんに、「はい、3秒です。」となり、流石にこれでは見出しすら見えなかっただろいうということで、では、もう一度、3秒、与えていました。
生徒は、見終わった後に、集団自決を迫った事実があったと思ったか否かを答えていきます。
参観者は、興味津々で生徒の様子を見守っています。この日の授業は、キャラバンに公開して頂きた他、校内での研究授業にもなっていたので、同僚の先生方や学校モニターの保護者の方もみえておられました。 毎回、強制があったのかどうかを記入していきます。
生徒たちの新聞記事へのまなざしは、どんどん真剣なものに変わっていき、少しでも読んで内容を把握しようと懸命でした。 新聞記事を持ち上げて、必死に目を通していました。
時間差で、最初に与えらえられた記事を読み終わると、次は、もう一方の記事が渡されます。それを読んで、またしてもどのように感じたのかを答えてすべては終わりdせう。 全員が、どのような回答をしたのかを画面に提示します。あらかじめ統計処理を組み込んでグラフ化するようになっていました。すると朝日を読んだ生徒と読売を読んだ生徒の間で、反応に大きな差が生まれました。
そのことから新聞記事は、単に事実を伝えているのではなく、その中に新聞社が考えている思想や想いといったものが加わっており、読者は、それに誘導されることがあるので気をつけるようにと説明されています。 朝日と読売で読み比べることで、生徒の反応は、確実に差のある結果が浮き彫りになりました。
先生は、この体験からメディアを読み解く時には、書いてあることをそのまま受け取ってしまうのではなく、しっかりと自分で判断して読むことが大事であると最後のまとめられました。 熱心に記事を読み、アンケートに答えている間に、あっと言う間に時間がたって終了時刻を迎えました。
   
意見交換会
司会:長尾先生(大阪信愛女学院短期大学)

ただ今、制作中

 
   
   
   
   

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