第52回公開授業

総合的な学習の時間「コピーライターに挑戦」
研究授業
意見交換会
平成19年6月22日(金)
大阪国際大和田高等学校

授業者:齊尾 恭子先生(総合)



研究授業  総合的な学習の時間「コピーライターに挑戦 〜いいところ見つけ〜」

 

 今回のキャラバンは、大阪国際大和田高校の齊尾先生による総合的な学習の時間の授業です。生徒たちはチームに分かれ、その中でお互いのいいところをカードを使ってブレインストーミングします。その後、チームごとに結果を発表します。プロジェクタや実物提示装置を使った効果的な授業でした。

 
授業風景
最初に授業について説明します。

教師の説明は5分。4分で生徒にベルを鳴らせます。


タイムスケジュールを映します。

2:30 説明
2:40 ブレスト2回
2:50 ポスター作り
3:00 チームごとの発表
3:10 終了

プロジェクタと実物提示装置です。 授業の説明を書いた手書きのプリントです。
一人一人についていいところをカードに書きます。 教師は、説明や次の作業の準備をされていました。
「面白い」
「きれい」
「色白」
「スタイルいい」
「やさしい」
「思いやりがある」
「いやなことも引き受けてくれる」
「話を聞いてくれる」
「努力家」
集まったものをB4の紙に貼ります。
様々な提示装置があります。 学習報告シートにまとめます。これを映して、発表します。
結果をチームで発表します。
一人一人にはコードネームがついていまいた。
「文章の最後だけでも前を向くと良い発表になる」とアドバイス。
最後にこられた先生方より感想をいただきました。
 
長尾先生(大阪信愛女学院短大)「友人のいいところをたくさん見つけることができてよかった。」
小林先生(清教学園)「みんなの意見をよく協力してよくまとまっていた。」
笹谷先生(清教学園)「みんなが協力して短い時間で学習がスムーズにできてよかった。」
意見交換会
司会:長尾先生(大阪信愛女学院短期大学)
奥田先生(大阪国際大和田):
 先生方には,雨の中をお越し頂きまして感謝しております。
本校では,これまで進学にも力を入れて参りましたが,これからの知識社会では,単に知識量を増やすだけでなく,情報を判断して自分で加工・発信できる情報の実践力を備えた生徒を育てていかなくてはならないと考えております。
 齊尾先生には,情報機器を活用して頂き,生徒の学習動機を高めながら,自ら主体的に学ぶ生徒の育成に,日々,尽力してもらっています。
長尾先生からカシオの実物提示装置について説明をしていただきまそした。
コンピュータは不要で、USBメモリのみで映すことができます。
齊尾先生:
今年から現在の勤務校で教鞭を執っています。
チームを作るとき生徒をタイプわけ(リーダ、クール、サポートなど)して、違うタイプどうし組ませました。
男女も混ぜます。自分と考え方の違う人と協力することの重要性を毎回説明しました。
いいところを見つけあう学習の目的は、アイデンティティの確立です。
長尾先生:
総合的な学習の時間のキャラバンは、今まで東海大仰星高校やプール学院高校で行われました。

辻先生(帝塚山泉ケ丘)
各校で行っている取り組みはどんなものですか。

川崎先生(飛翔館):
「生徒が各テーマをいくつかの中から選んで学習します。コンピュータやだんじりなど。

笹谷先生:
前任校では着付けや礼儀作法、英会話などが行われていました。

齊尾先生:
中学1年生から高校3年生まで、週に1回、普通教室で行われています。今回のような授業は独自ものです。

長尾先生:
学年で全クラスが同じ時間だと特別教室が使えないですね。

池田先生(上宮):
担任が授業を行います。老人ホームへの慰問や修学旅行で行くドイツの事前学習や進路について。

小林先生:
月曜5限に行います。30講座以上から選択します。

長尾先生:
他教科との取り組みが大切ですが、行われていますか。

川崎先生:
進学校への変化のため、薄れる傾向にあります。


齊尾先生:
成績別のクラスをとっている本校の場合、最下層のクラスのモチベーションがアップすることによって、学校全体が活気づくと考えています。
生きていくうえで、いろんな人といろんなところで集まり働くことになります。そこでコミュニケーション能力が大切です。

奥田先生:
学習に関心を持ちにくい生徒が多いにも関わらず,チーム学習という新しい学習方法を用いることで,生徒があんなに目を輝かせていることには,正直,驚きました。授業方法の検討は,今後も大切だと思います。
原田さん:
総合的な学習の時間はゆとり教育と関係がありますか。テストや評価はどうなっていますか。

市川先生:
ゆとり教育とは別で生きる力や新しい学力観といったところから誕生しました。テストは無いことが多く、評価は文章による評価です。

齊尾先生:
チーム学習は、野球のチームのようなもので生徒一人一人に役割があります。生徒による相互評価も行っています。
堀さん(カシオ):
学生のときにこのような授業を受けたかった。もし受けていたら、現在もっと仕事ができるはずです。
木村さん(ジャストシステム):
教師の躍動感が伝わってきました。生徒にはもっと可能性があることが分かりました。

古川先生(清教学園):
教え方次第で生徒の反応が異なることが分かりました。

齊尾先生:
以前、合唱部を指導したとき、自分たちの変化を生徒に気づかせないといけないことを学びました。

青木さん(三谷商事):
小学生の時のほうがは学習が面白いですね。制服に代表されるように学習が画一的なのではないですか。

辻先生:
いろいろなグッズ(提示装置、プロジェクタ、ベル)などを用いて説明しているところが良かったです。

辻本さん(カシオ):
役割にはいろいろなものがある。仕切る人だけがいいわけでない。そうでない人も活躍しているところが良かった。
岡田さん(大阪ウチダ):
生徒同士が共感しているところが面白いです。何が言いたかったのか発表者に聞いていることが良かったです。

齊尾先生:
2学期は社会構造に目を向けさせたい。ファミレスの店長になって、店を繁盛させる方法を考えさせるなど。3学期はキャリア教育を行いたい。
池田先生:
コードネームとは何ですか。準備や片づけを生徒が率先して手伝ってくれるのはなぜですか。

齊尾先生:
普段の自分ではない別人格としてこの時間は参加してほしいと思い、生徒に考えさせました。生徒に大変さを伝えると手伝ってくれました。その後ほめるとどんどん手伝ってくれます。コードに印をつけて、分かりやすくしています。生徒は役割を欲していると感じます。

西村先生(プール学院):
齊尾先生の授業を参考にさせていただいています。

齊尾先生:
生徒にとって、今日、他の教師に真剣なまなざしで見られたことがとてもよかったっです。
最後に長尾先生から学習開発研究所の西之園晴夫先生の著書や言葉が紹介されました。

『学習ガイドブブック 教育の技術と方法(ミネルヴァ書房)』にチーム学習について詳しく書いてあります。

『私たちは教えられなくても 他の人と協力しながら学ぶことができます。
 ただこれまでに そのように学ぶ機会がなかっただけなのです。』

top   back