第38回公開授業

高校3年選択科目「メディアリテラシー」
研究授業
意見交換会
平成17年11月1日(火)
京都女子高等学校

授業者 成瀬 浩健(情報)



研究授業

 5,6時間目 アジアの不思議〜ローカル版

 

 

 今回のキャラバンは、京都女子高校での2回目のキャラバンとなりました。今回の授業は、高校3年生の選択科目の「メディアリテラシー」という学校設定科目で、年間カリキュラムのほとんどが、東京大学情報学環 Mell Project (URL http://mell.jp/) を参考にして実践されているそうです。

   選択科目「メディアリテラシー」の年間スケジュールはこちら(PDFファイル)

年間スケジュールの2学期の内容は、「アジアの不思議〜ローカル版」(8回+放課後=18時間)を実践され、法政二高とのインターネット上の交流授業を見学させていただきました。

   「アジアの不思議:ローカル版2005」 概略(PDFファイル)    「アジアの不思議:ローカル版2005」 共通カリキュラムはこちら(PDFファイル)

 

5,6限 授業風景  パソコン教室
おしゃれなピンク色の校舎です。 交流相手の法政二高さんとの授業時間の関係で、先に簡単な意見交換会を行いました。


長尾先生
  TV会議を使って授業をやっている先生は?    0名
  TV会議を授業ではなく使っている方は?   3名
  欠勤するとき、チャットやTV会議で生徒に課題を指示する先生がおられるそうです。
  では、成瀬先生に今回の授業の概略を説明していただきます。

成瀬先生
  Webカメラを2つ使います。1つは、発表者を撮し、もう1つで教室全体の様子を見ます。今回の見所といっても、他の人の授業ネタを利用させてもらっているので、どうなることか分かりません。

時間になり(3:15〜5:15)、いよいよ法政二高とのTV会議が始まりました。
代表の生徒1名が進行役を努めて、まずは挨拶から。ちなみに法政二高は男子校で、こちらは女子校。
正面のスクリーンには、4つの画面。お互いの学校の進行役2名中心の画面とクラス全体の様子の画面が映し出されています。
右サイドのスタンド式スクリーンには、相手校のグループが制作した地元を紹介するビデオクイズが映し出されます。このビデオで、異なる地域の生徒が、自分たちの地域・文化に対してどのようなイメージを持っているのかを知り、それに基づき自分たちの本当の地域・文化を知ってもらうための映像クイズを作成し、相手校に答えてもらいます。
各班が作成したビデオクイズを見ての意見・感想は、ブレインストーミングボードに書き込みます。ボード上にもビデオクリップがアップされていました。
 
意見交換会
司会: 長尾先生(大阪信愛女学院短大) 
  
意見交換会には、先ほど使ったTV会議システムを使って、法政二高の丸山先生(国語科)にも参加していただきました。今回の相手校とのマッチングは、この Mell Project のプロジェクトリーダーがあわせてくれたそうです。丸山先生もこのプロジェクトに参加し、成瀬先生と初めて知り合ったとの事でした。法政二高でも、この授業は「メディアリテラシー」という科目で履修させているそうです。


 
長尾先生
 今回の授業を見て何かご意見・ご感想はありませんか?

北村先生(大阪高校)
  何か少し分かりにくいところがありましたが、この授業の評価はどうするのですか?

成瀬先生(京都女子)
  今後行われるこのプロジェクトの反省会で活かせたいと考えている。

丸山先生(法政二)
  明日と来週の授業で話し合いをして、その中で考えていく。

成瀬先生
  ビデオクリップ作成のための時間は、6時間でした。

長谷川先生(京都橘)
  ビデオクリップ作成のポイントは、京都を伝えることですか?

成瀬先生
  そうです。京都を知ってもらうためです。

丸山先生
  ビデオクリップ作成のポイントは、ビデオ編集作業をやらせたいと常々考えていた。何を選び、何を残すかを考え、何を伝えたいかを考えさせるため。また、作品の構成を考えさせることでした。

岡本先生(聖母被昇天学院)
  次回のキャラバンでCM制作を行いますが、ビデオを撮ったり編集したりすることに対してかなり教員の指導が必要だと教えられた。

丸山先生
  ビデオ撮影のテクニックは全く教えていない。ポイントのプリントは配布した。

成瀬先生
  ポイントのプリントは全く配布していない。構成に関するプリントは配った。

酒井先生(華頂女子)
  他校との交流授業はやりたいが、ちょっと難しいが参考になった。
   

長谷川先生
  これまでの事前の打ち合わせはどうされたのか?

成瀬先生
  夏休み中に打ち合わせは行った。このプロジェクトリーダーが送り手の気持ちになって、また、受け手の気持ちになってやって欲しいと言われた。ポートをあけ設定変更まで大変だった。

津田先生(大阪薫英女子)
  ビデオを撮りパソコンに取り込むときにかなり圧縮しないと編集が大変で時間がかかる。

藤原さん(パナソニックSSマーケッティング)
  1対1 または 1対 n は可能だが、n対n は工夫しないとうまくいかない。話し相手が誰だか分からなくなるから。

長谷川先生
  法政二高校から京都女子の生徒の顔は見えてたか?

丸山先生
  司会者とグループ用に分けたが、うまく見えてなかったと感じます。

今井先生
  イメージマップからクイズを作成したのか?

丸山先生
  京都女子のイメージマップからクイズを作成したが、いろいろ追加し工夫してクイズを作った。

成瀬先生
  うちは、余りイメージマップの影響を受けなかったようだ。

市川先生
  イメージマップのイメージをもっと広げないと・・・。イメージマップの作成の工夫がいる。

長尾先生
  バーチャル・ブレインストーミングの使い方について何か質問は?

小林先生
  ビデオを見て、最後に感想を書くと聞いていたが、交信がもうひとつうまくいかなかったので交流として使われていたが、事前指導が必要だと感じた。男子のボード使用はどうも2チャンネル化しているようだ。女子の使い方とちょっと違う感じがする。でも、男子は相手が女子校ということで、少し気を使っていたかも・・・

丸山先生
  掲示板の事前指導はしていない。書き込みを見てから指導となってしまったが、思ったより自主規制が働いていたようだ。

長尾先生
  どんな書き込みを期待していましたか?

丸山先生
  クイズの出題と解答のシーンを映す間に、書き込み時間を設定すれば良かった。明日の授業で、このプロジェクトの今までの振り返りを行うが、ペーパーでやるかPCを使うか考えている。生徒から、家で書き込んでもよいかの質問もあった。

長尾先生
  この授業から何を学んだか?と生徒に聞くとき、教師は生徒に何を学ばせたかを教えておく必要があるのでは。

市川先生(大阪信愛女学院短大)
  ボードへの書き込みも多いが、ビデオ作品はなかなか良かった。評価のポイントをこのビデオ作品にしてはどうか。

津田先生(大阪薫英女学院)
  TV会議でのやりとりよりも、相手のしゃべりを聞かせて、こちらでその反応を見るには、このシステムでは双方向はちょっと無理がある。

市川先生
  ビデオを見ての相手校の反応を見たかったのに、相手校の反応がよく見えなかった。ビデオの方が良かったかも・・・

長尾先生
  クラス対クラスではなく、グループ対グループの方が良かったかも知れませんね。

丸山先生
  今回の授業は、改善点がいろいろありました。本来のねらいとは少しずれたTV会議となったが、来年度はこの経験をいかせたい。

成瀬先生
  この授業はちょっと時間がかかりすぎた。情報での授業で実践することは無理でしょう。やはり選択科目でないと・・・。来年度に向けてのステップとしたい。

最後に、緒方校長先生からご挨拶をいただき、意見交換会を終了いたしました。成瀬先生、法政二高の丸山先生、どうもありがとうございました。


 

 

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