第33回公開授業

POV-Rayを用いた3DCG入門

研究授業
意見交換会  
Virtual Brain-Storming Boards
(通称 VBB)

  ここから入れます。
平成17年6月3日(金) 2限: 10:40〜12:10
産業技術短期大学

授業者 村上 徹先生(精華高校 情報)



研究授業

 POV-Rayを用いた3DCG入門

 

 今回は、産業技術短大で、外部の学校から講師を招き授業を公開するというものでした。産業技術短大には、「情報処理工学科」「機械工学科」「電気電子工学科」「システムデザイン工学科」の4つの学科があります。

  この授業は、システムデザイン工学科の2年生用の 「CGデザイン基礎」 の授業でした。

6限 授業風景  10:40〜

 

授業が始まりました。
 
スライドで3DCGについての説明です。
まずスライドを使って、3DCGを学習する意義について説明。3DCGはゲームの世界だけでなく、いろいろな分野でその可能性が期待されています。例えば、歴史上のシーンの再現、これから作る製品、配置レイアウトの確認、環境シミュレーション、想像上のシーン、芸術、  医療 など。それらの3DCGの基礎を学びます。
   POV-Rayを使って作られた作品を紹介  http://www.povray.org/
配布データの説明
ライトとカメラの位置についての説明

 
次に、実習に入りました。
1) 水平な平面と球が描かれているPOV-Rayのソースファイルを配布し、それを移動や変形する実習を行う。

2) テクスチャを貼付けることで、よりリアルな質感をつける実習を行う。

3) 集合演算の学習:  複雑な形は、複数の立体集合演算によって作成する。

4) ものの見え(色)についての学習
 普段の生活でわれわれは、白い(すなわち光の3原色のすべてがある)光でものの色を判断している。しかし、赤、青、緑のボールに黄色い光を当てたら、どのように見えるでしょう?

 そこで色の学習をPOV-Rayを使って仮想実験の形でやってみます。理屈ではこう見えるはずだ、と考えておいて、その後にコンピュータに描かせてみると。思ったとおりのものが見えるでしょうか?

5) 3DCGアニメーションを作ってみましょう。
 POV-Rayではアニメーション用のもとの絵が連続写真のように何枚も出力されるだけです。この描きだされた絵をアニメーション作成ソフトで、アニメーションにします。

学生さんたちは短い時間の制限の中で、苦戦していましたが、なかなかいいアイデアを出してアニメーションを作成していました。

移動の実習  
変形の実習  
質感を与える実習  
3原色の学習  
テキストの「IT-Literacy」(日本文教出版)で説明 今日の授業のまとめ
 
意見交換会

小林先生(清教学園)
 これまでは中高校だが、今回は短大に。

小池先生(産業技術短大)
 経緯を説明。 CG-ARTS協会の会合がきっかけで、村上先生と知り合った。システムデザイン工学科 2年目 科目名「CGデザイン基礎」 理論は協会のテキスト。サブテキストとして村上先生の「IT-Literacy」(日本文教出版)ものを使っています。著者が近くにいるので、ワンポイントリリーフとして来ていただき今回の授業となりました。

小林先生
 学生さんはPov-Rayはじめてですか? 今回で完結なのでしょうか、それとも継続授業でしょうか。

小池先生
 機会があれば、今後もやりたいのですが・・・。うまくいきそうなら、また村上先生にワンポイント・ツーポイントをおねがいします。正規の授業で高校の先生に見学をしていただくのもはじめてです。学長がOKとのことで話がまとまりました。学生への刺激にもなればと・・・・。

村上先生
 高校生なら教室の中にCGに興味がない生徒もいるが、今回は情報コミュニケーション学科の学生ということで、いけると思いました。今日一日でつめこみすぎたかも。今までは3DCGにしぼっていたが、色の話など色彩のこともいれてみました。アニメーションは、まだ高校ではやってませんが、大学生なのでできると判断してやってみました。

小林先生
 手ごたえは?

村上先生
 ありました。

小林先生
 加法混色などは?

小池先生
 検定対策として、やったところではあります。

小林先生
 赤い光は? などはピンときませんが・・ 色の指導など、ポイントがあるのですか?

村上先生
 知識として加法混色と減法混色は学んでおくべきだと思います。今までは座学でやっていました。実感がわかないので、CGでやってみました。

小林先生
 仮想実験のようなものにも。

奥田先生(大阪国際大和田)
 美術・芸術系のものに使わなければならないと興味があり、こさせてもらった。短大で公開授業をされるということはすごいことです。チャンスがあれば、お互いに見せ合い、意見交換をしていくことが大切だと思います。教育をオープンにしていくことも大切だと思います。普通の授業をとなりの学校の人が見に来るという感覚で、うちの生徒には合うとか合わないとかがわかればいいのでは。また行っていただきたい。
あの人数で、90分で最後までというのは簡単ではないと思います。2つぐらいのポイントでやれば、ついていけたかと。最後の自分のつくったものを見るというのはいい。情報は、つくったものがすぐに見れたり、達成感がくるのがいい。感動があるのがいい。

小林先生
 作品の共有について、作成後にウェブでお互いに見ることのできるシステムはいいと思います。

村上先生
 ノートパソコンにウェブサーバを入れて、フォルダ内に画像にリンクを貼ったHTMLのデータを置き、そのフォルダに作品を指定したファイル名にして置くだけでLAN内のコンピュータからブラウザで見れるように準備してきました。

大江先生
3DCGの授業ははじめて見ました。おかしなことを言うかもしれませんが、ディスプレイにうつっているからといって、できたと思ってはいけないと考えている。プリントアウトしてそれを額に入れるなどをしてものになって初めて完成だと思う。自分の気に入ったものをつくるのではなく、発表するものをつくるということを意識づける。会場をかりて展示とか。印刷してくばる、などのように。
シェードのテキストでは「テクスチャの貼り付け」までで、180ページに及ぶ。それをすべて今日1日でやってしまったのはすばらしい。ベジェ曲線、形を整える、人類は最近まで知らなかった。アニメーションは、リズム感・運動神経などと関係がある。テンポのセンスがいい人だとうまくいく。絵のうまいひとはできないこともある。

評価については?
 ずっとがんばってる人、ずっとさぼってて最後のほうで適当にやって形だけ完成する人を見極めなければならない。細かくわけて、評価していくことがいいかも。結果的に正確な評価につながる。教えないことをやってくれる。それをほめると、次の年はそれが評価項目になる。細かい要素にわけて評価する。評価観点を増やす。例えば、15分ごと、3つ。 同時に、全員できないといけない項目とできてもできなくてもいい項目が発生する。

村嶋先生(浪速高校)
 中学校でやろうと思っているが、敷居が高い。テキストがあるので・・・

小林先生
 これに匹敵するソフトはあるのか?いいソフトとの出会いは大切? テフなど

小池先生
 個人では 外の方にというのは抵抗はない。大学の教員としては、他者と比較される機会がないし、慣れていなので嫌うことも。高大連携が必要だとはわかっている。大きな話だとでてきているが、小さなことだと今後、こんなメニューが用意できますよ、というような情報交換が必要と思われる。

 

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