第26回公開授業
 高校2年 情報B
「4コマ漫画を、Rubricを使って評価」
研究授業  
意見交換会  
平成16年6月25日(金) 6限
大阪学院大学高等学校

授業者 松本 宗久先生(担当:情報)



研究授業

   情報B 「4コマ漫画を、Rubricを使って評価」


(PDFファイル) 
    Rubricシート
(EXCELファイル)
4コマ漫画見本
(PDFファイル)
 

 今回は併設の大阪学院大学で行なわれている「第3回 Digital Storytelling Festival」(デジタル絵日記コンテスト)への参加を念頭において、生徒が作成したPowerPointによる4コマ漫画を、ルーブリック(Rubric)を使って自己評価および他者評価を行た授業を見学させていただきました。

 担当の松本先生のねらいは、「情報を正しく評価できる能力を育てる」ということにポイントをおき、特に、これからの社会では自己評価できる事がスキルの一つとして求められていくのではないかという点でした。

 その評価を、生徒がルーブリックチャート(Rubric Chart)を使って行うというものでした。生徒たちは評価の各項目にA,B,Cの自己評価をし、短い言葉でコメントを入力していました。そのコメントを考えるのがちょっと大変でした。

  その後、「自己評価をすること」について、どう感じたかをVBBに書き込んで、他の生徒らもどのように思ったのかを共有しました。

授業風景
まず、4コマ漫画の作品例をスライドショー

生徒らは自分の作品をの最終チェック
いろいろな作品がありました

文字は英語で
作品のチェックが済んだところで

先生からルーブリックチャートの説明があります
自分で、自分の作品を評価します

各評価項目について、コメントも入れます

自分の作品を自分で評価したことのある生徒は殆どいませんでした。
また、評価に対するコメントを入れるのが大変でした。


コンピュータ教室の机は、かなり高級なものでした。


生徒が書き込んだコメントを紹介し、
今日の授業の感想をVBBに書き込みます。

VBBの入り口


生徒らの感想が次々書き込まれます。


授業のまとめとして、松本先生は、これから社会に出て自分の仕事ぶりを自己評価して、その反省を生かしてさらにステップアップする事が求められるのですよ、と締めくくられました。

意見交換会風景
司会: 長尾先生(大阪信愛女学院短大)
記録: 池田(日本文教出版株式会社)

佐古校長先生

情報教育は大切だと思います。これからの生徒にとって学生にとって死活問題でもある。そうした中で我々に問われているのは,技術的なことも倫理的なことも含めた情報教育だと思う。多くの先生方がこうして研究会を進めておられることは心強いと思います。情報社会をどのように生きていけばよいのか生徒に伝えていきたい。今日は先生方のご意見を参考にさせていただきたいと思います。

松本先生:今回キャラバンをするにあたって,第一に考えたことは,みなさんからいただいたものがたくさんありましたので,それを活かしてやりたいと思いました。ルーブリックについては,ハワイから大学の先生がいらしたときに教えてもらって,ずっと使いたいと思っていました。ルーブリックについては,RubricChartという日文のいいソフトがあったので,使いました。今日始めてご覧になった先生に尋ねられたのですが,これは僕がマクロを組んだわけではありません。
先日の総会で関本先生がいっていた明治生命のCMとか,日文のRubricChartとか,小林先生のVBBとか,いただいたものを組み合わせて授業をよりよいものにしようと試みています。先生方の忌憚ないご意見をお聞かせください。
今日は,意見交換会に入る前に,併設大学でパワーポイントを使ったストーリーテリングコンテストをやっていますので,その紹介をさせていただきます。概要と作品等見ていただいてお持ち帰りください。参加できる生徒さんがいればどしどし参加してください。

大阪学院大学主催の
「第3回 Digital Storytelling Festival」の説明。




中嶌先生(大阪学院大学):
大阪学院大学の取り組みについてご紹介させていただきます。
◆配付物
 ・フェニックスカンファレンス
 ・デジタルストーリーテリングコンテスト
 ・高校生のためのストーリーテリングセミナー
(パワーポイントを使って,ストーリーのあるスライドを作って,優秀作品を発表してもらう。1日のイベントです。)
 ・デジタルストーリーテリングフェスティバル

パワーポイントがなくても物語を作れる「OGUオリジナルストーリーボード作成プログラム」というものを開発しました。Web上で動きます。参加申込していただければ誰でも使えます。【プログラムの紹介】

Rex Tanimoto先生(大阪学院大学):
ストーリーテリングについて紹介します。今日はストーリーテリングのサンプルとしてパワーポイント2つ用意しました。
(サンプルは大阪学院大学のWeb上で公開)
日本の高校生,大学生は,自分を表現する機会をこれまで持ってこなかった。だから表現力も想像力も乏しいように感じた。パワーポイントでストーリーテリングに取り組むことは,そうした力を育てるきっかけになる効果的な方法であると考えている。

中嶌先生:
ストーリーテリングは学校の先生方も対象としていますので,是非参加していただればと思います。何かご意見がございましたら,私あてのメールアドレスがここにありますので,ご連絡ください。

長尾先生:
デジタルストーリーテリングというのは英語の授業でやってらっしゃるんですよね?これを一般を対象とした場合にも英語でやるというのは何か理由があるわけですか。

Tanimoto先生:
語学教育から,

長尾先生:
アメリカだったらこういうことは必要ないのではないか,トレーニングしなくても彼らはベラベラ喋るし表現力もある。日本だからこそやる意義があるように感じたが、どうですか。

Tanimoto先生:
決してそんなことはない。ハワイの学生らにもトレーニングが必要です。

長尾先生:パワーポイントの作品はよく出来ていたように感じましたが,どれくらいかけてやられたんですか。

松本先生:4時間くらいです。ストーリーに関しては,「ある一日の出来事:ある朝起きたら僕は何になってた。」というカフカの「変身」みたいな題材を与えていました。

長尾先生:先生方の中で4コマ漫画を作らせたことはありますか?

高橋先生:(東海大仰星)最低4コマ,最大10コマ。各個人で。ストーリーは自由でやらしたことがある。

成瀬先生:(京都女子)情報をはじめるまえに,川崎北高校の柴田先生の取り組みを見せて,生徒は「4コマちゃうやん,オチないやん」とまぁ,関西のノリでツッコミを入れつつ俄然やる気が出たみたいで,それでやったことがある。

久家先生:(大阪信愛中学)昔話をグループで作らせたことがある。3人一組くらい。中学生です。

松本先生:(生徒作品紹介をしながら)英語になってますが,日本語をそのままエキサイト翻訳に入れて出てきたものを使っているので,おかしな英語が多いです。

長尾先生:こういうものを作るという中で,今日は,「評価」をさせたかったわけですか。

松本先生:そうです。授業の最後に言いましたように,仕事をするようになったら「自己評価」しながら切磋琢磨しなくてはいけないということを伝えたかった。

この教室はCALL教室で、英語科が
活発に活用しておられるそうです。

高橋先生:生徒が作った作品は,各々が各個人の作品を見て評価するというわけですよね。前に出て発表するというわけではなくて。

松本先生:そうです。

高橋先生:30人いれば,30人の作品があって,そうすると自分以外の29人分をみるということになりますか。

松本先生:そうですね。実際問題としては,全部見れなかったりするんですが。共有フォルダに各生徒の作品が保存されているので,各自がそれぞれの作品を見て評価します。(共有フォルダのアクセス権の説明,容量は生徒一人あたり,10MB〜20MBくらい)

長尾先生:前に出て発表したものを評価するのではなく,個々に見せた理由っていうのはあるんですか?

松本先生:意図,うーん。誰のかわからないという前提にしているから,「私のんてわかったら見せんのんいやや。」という女の子も多いので,精神的なクッションを入れてあげた。

高橋先生:それはそれでいいと思うんですが,私なら一人ひとり発表させて指摘させあいながらやった方がいいんじゃないかと思う。日本人は発表が苦手なので練習が必要だと思います。だけど松本先生の意図はよくわかったのでそれはそれでいいと思います。

松本先生:2,3年前にはチームを組んでやったこともありますが。今後3年生で何か作らせるときにやってみようと思います。

長尾先生:生徒が発表するのを嫌がることとか,評価するときに「あの子だから」というひいきがあるというのは現実的な問題かとは思うのですが,先生方はこうした現状に対する配慮,アイデアありませんか。

津田先生:(大阪薫英女学院)うちもパワーポイントを使うんですが,笑点「○○とかけて××ととく」とか,標語とか町で見つけてきて発表させてますが,それはそれで楽しんでやってくれている。

長尾先生:学生さんはどうですか?大学で発表させられるときはどうですか?

吉川さん:(京都女子大)発表させられるのはいやです。慣れは大切だと思いますからやれといわれればやりますけど・・・。

大槻さん:(京都女子大)自分で作ったものを発表するのは恥ずかしいですけど,発表する場があれば,人に見せるに恥じないものを作ろうと思うし,大学生だからそれくらいできないとと思う。

谷さん:(滋賀大学)最初は嫌だったけど,何回も授業でやってるうちに慣れた。やらないと慣れないのでやった方がいい。

長尾先生:やってみてほめられたり,しかられたりするんだと思います。そういうことがあるから次につながるんじゃないかなと思う。慣れというのとは別の次元で。だから今日,松本先生がやったように,なんらかの方法で評価される場面を作ることが大切だと思います。評価の工夫というところで先生方何かありませんか?

日本文教出版の池田さんによるルーブリックチャートの説明

長尾先生:RubricChartって先生方お使いになったことあります?

【RubricChartについて説明】
○RubricChart 評価支援ソフトウェア http://www.nichibun.net/rubric/
(※最新版は上記Webにて。現場の要望に応じて柔軟にバージョンアップしています。)
【機能説明】
・生徒名,クラス名,番号を登録
・課題を登録「ポスター作り」など
・各課題に評価観点を設定
・評価観点ごとに,達成レベルを言葉(評価語)で表現して登録する。
・それがルーブリック表になる。
・印刷機能が付いているので,実習に入る前に,生徒に見せて,何を評価するのかを事前に伝えられる。(保護者にも伝えられる)
・評価観点ごとにABCDなどで評価をつける。
・観点ごとに,「関心・意欲・態度」「技能・表現」「思考・判断」「知識・理解」という教科の4観点を関連付けられる。
・入力した評価は,教科の4観点ごとに集約されてレーダーチャートになって表れる。
・生徒が自己評価をするモードもあって,先生の評価と自分の評価をすりあわせる機能としても使える。
・評価語を考えるのが大変だけど,事前にデータベースにある程度の実習のルーブリック表が登録されているのでそれを流用・編集して使ったりできる。
・事前にあるデータベースを流用する以外にも,他の先生が作ったルーブリック表をインポートする機能もついている。
・ICT・EducationにRubricChartを使った実践例がいくつか掲載されている。

○ICT・Educationバックナンバー
  http://www.nichibun-g.co.jp/joho/it-edu/index.html
(※21号,22号など)

長尾先生:相互評価もできるとめちゃくちゃ使えますね。

池田先生:(上宮)「授業で言われたことを一通りやった。」で「C」判定っていうのは,レベル高いですね。

松本先生:ICT・Educationにあったルーブリック表を参考にしたところもあるし,自分の授業の進度はかなりゆっくりなので,できて当たり前かなと思ったので,「授業で言われたことを一通りやった」なら「C」という判定にした。

長尾先生:ルーブリク表は今のところ,先生が示す「ものさし」ですが,評価項目の中で何が自分にとって大事でとか,評価の段階も自分で判断しなくてはいけないということですね。

(ルーブリックチャートの機能や使い方について)
・学校評価,教師の授業評価のために,生徒の評価を集めるのにも使っている先生がいる。(ICT・Edu 21号参照)
・評価観点のところに生徒の名前,もしくは生徒の作品名を並べて,自己評価モードで生徒が他の生徒の作品を評 価していくこともできなくはない。
・評価者(評価する先生)が複数いる場合には,フォルダを分けてデータベースを別に持つ必要がある。一覧表に なった段階で,エクセルの新規ファイルに貼り付けてすり合わせればなんとかなる。

 


長尾先生:今回も事前にVBBでコメントをもらっていますが,何か面白いコメントはないかな・・・。「情報の授業で何を学ぶんですか。」学生さんがいらっしゃるので聞いてみましょうか。

谷さん(滋賀大学):コンピュータの使い方。
吉川さん(京都女子):主にコンピュータを使って情報の入手の仕方と,判断力を養う。
佐茂さん(大阪学院大学):問題解決するための授業。松本先生もここにこだわっていらっしゃるので。

白川先生(大阪学院大学経済学部長):情報の収集,処理,分析し・・・とか一般的に言いますけど,他の科目はそれをしないのかと聞かれると難しい。

長尾先生:いろいろ定義はあるにしても,生徒にどう言ってあげればピンと来るんでしょうね。

松本先生:ピンとくるかどうかはわからないですけど,やっぱり問題解決かなぁと。いろんな教科書を見ていても最初の方に問題解決が出てきてるし。

津田先生:うちの生徒のレベルだと,コンピュータの使い方とかを考える教科だよと言うかなぁ。

松本先生:岸辺の駅から大阪駅までどうやっていくのかということを考えるんだと言ったことがある。JスルーからICOCAになりましたが,自動販売機の使い方を学ぶのが情報ではなくて,どうやって行くのかを考えるのが情報やでといっている。

長尾先生:生徒は,昔切符を買って,入り口で駅員さんが切ってたということを知らないですよね。逆にそれを説明しなくちゃいけない。自動販売機でお茶を買っているけれど,昔はまさかお茶が売られるとさえ思っていなかったとか。

長尾先生:今日松本先生がおっしゃってた,キャラバンで手に入れたものを使いながら授業をしていただいたのって,すごくいいなと思いました。繰り返し色んなことがでてくる中で,自分としてはこんなふうに使ったというのが見れるのは参考になりました。同じ教材でもその使い方は先生の数だけあると思います。

重安先生:(星翔高校)私はまだ「情報」の免許もってない。生徒のレベルも違うし,これだけいろんなソフトとか仕組みが見れたのは参考になりました。

長尾先生:来週は信愛女学院でやらせていただきます。久家先生。

久家先生:
英語の授業でキャラバンをやりたいと思います。
英作文の授業。どういうふうなツールを使うかは,まだVBBを使うというのしか決まってませんが,
来週金曜日の2時15分(6限目)からになりますので,宜しくお願いします。

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