第8回公開授業
  
技術・家庭「食生活について考えよう」

研究授業
意見交換会  

平成14年6月28日(金) 第6限
清教学園中学校 http://www.seikyo.ed.jp
1年E組
授業者 佐竹 学



研究授業  技術・家庭「食生活について考えよう」

内容
2学期に技術・家庭科の家庭分野で「食物」を学習します。 その導入として、各自「ダイエット」「BSE」「ファーストフード」などテー マに沿った調べ学習を行い、調べた内容パソコンでまとめます。
まとめるにあたって、
 1.新聞記事を必ず引用すること。
 2.グラフか表を入れること。
 3.イラストか写真を入れること。
この3つをクリアすべき課題として設定しました。
 
先生の説明を聞くときは、全員ノートパソコンを閉じ、スクリーンに注目します。
  

 授業は,2時20分からスタートして,3時10分まで,佐竹先生の明確で,丁寧な言葉遣いの指示に従って,生徒たちは,それぞれ着実に仕事を進めていました。

参加された先生方は,まずその中学1年生の熱心さ,真面目に取り組む姿勢に驚かれたようです。あんな様子を親御さんがご覧になったら,ここの学校に入れられるものなら,入れて一生懸命に佐竹先生のようなバイタリティー溢れる先生と一緒に勉強をさせてやりたいと思うでしょう。

自分の新聞記事とFDを取って、入力開始 タイピングはまちまち

タッチタイピングの方法は,まちまちではありましたが,生徒たちは,思い思いに入力していました。8割が,スキルを目指した授業であると佐竹先生が,意見交換会で述べておられました。新聞記事などを読ませて,それをまとめたりしていくと同時にグラフや表を作成していく授業です。

グラフから表を導けるような指導方法を考えておられるようで,これには,ちょっとビックリしました。普通とは逆の発想なのですが,面白いかもしれないと思いました。

(信愛女学院メディアセンター 長尾) 

授業者からひとこと

 佐竹です。お忙しい中、多数ご参加くださいましてありがとうございました。

総合的な学習でPC利用がスムーズに行われることを目指し、 中1学年1学期で技術分野「情報とコンピュータ」を本年度より実施しています。 中3の生徒は多くの生徒がスムーズにPCを操作できます。したがって授業の進行も比較的スムーズです。

しかし、中1生では、ほとんどの生徒がPC利用経験に乏しく、教師にとってたいへんやりがいのある授業となっているのが現状です。昨年度の中学3年生の公開授業とは対照的です。教科「情報」がはじまるにあたり、中学生の学習過程や技術レベルを知って頂く上でも良かったと思います。

中1生の授業はどんな印象を持たれたでしょうか?またVBボードの方でご意見をお待ちしています。
http://www.kobatec.com/~chk/caravan/
前回もたくさんのご意見によって成長させて頂いたと思います。ドシドシ辛口の意見を書き込んでください。

先生のノートパソコンには2つのプロジェクタが接続 ご覧の通り、2つの壁に投影されます

top

意見交換会  3:30〜

 

司会:長尾 尚 先生(信愛女学院)

授業者:佐竹先生(清教学園)
コーディネーター:小林先生(清教学園)
  
記録:飯田(四條畷学園)


 まず、最初に会場校清教学園中学の教頭先生から、挨拶をいただきました。

清教学園では、ITコーディネーターである小林先生のご活躍で、教職員の9割以上の先生方が校内ネットワークを使用しておられ、今回の公開授業は、教員の意識向上にも非常に役立ち、本校で開催していただくことはありがたいことです、と挨拶されました。


続いて、参加者の自己紹介(順不同)
上宮太子 池田先生(数学),山原先生(英語)
日本文教出版  池田さん
精華 村上先生
飛翔館 川崎先生: 4月から生徒にノートパソコンを貸与している。WinXPなので,自由にソフトをインストールできない。アドミニは学校が管理している。 (下の写真)
  
堺女子 森本先生: 前回の清教での公開授業も見学しました
大阪国際滝井 籾谷先生
(株)内田洋行 岡田さん: 息子がこの清教中に通っている。保護者として参加した。この公開授業を保護者の皆さんにも見学してもらったらいいと思う。内田洋行のEXPOではお世話になった。仙台で先週幕を閉じた。大阪の私学での活動を宣伝しておいた。
さん,松本さん 
聖母被昇天 鹿嶌先生,渡瀬先生
園田女子大学 吉井さん: 情報の勉強をしたいので大学に通っている。情報の免許は取得した。内田のEXPOでこのキャラバンの事を知った。関大でのICTEワークショップにも参加し、とても有意義だった。
帝塚山学院泉ヶ丘 先生: 安全プロジェクトを企画。息子が清教に通っている。毎日息子の弁当をつくっているので、食品には関心がある。
大阪国際大和田 奥田会長先生: お互いに切磋琢磨して,新教科を成功させましょう。
瀧川先生,井野先生(美術): 画像ソフトに興味がある。総合学習の。中1,2年で総合学習の1つとしてコンピュータを使った読書,速読の授業をしている。(1単位)。コンピュータに慣れる、速読になれる、広い視野でものを見るという訓練を目的に行っているが、効果はこれからの課題。
信愛メディアセンター 尾崎先生
四條畷学園 飯田
清教 山本先生: 総合的な学習運営委員長をしている。中1,2は調べ学習を中心にやっている。パソコンを使わないで,図書を使っての調べ学習であったが,これからは,インターネットを活用した調べ学習の方向にむかっていて,今日の授業はその手始めであった。
斎尾先生(社会): 考えるレポートを中心にやっている。次回は授業公開に参加したい。
小林先生: ICTコーディネーター
佐竹先生(技術家庭): 中1,2,3年で情報を教えている。

司会: 今日の中学1年生の授業を見ての感想があれば・・・

鹿嶌: 生徒のノートを見て,4月からの取り組みがよく分かった。男子がいて,幼く感じた。タイピングは片手であったが,あれでいいのでしょうか?

吉井: 中学で取りかかったときに,タイピングを教えておいた方がいいのではないか。大きくなってからでは難しいのでは。

井野: 真面目さが際立っていた。ここの生徒は課題に興味を持っていたが,本校ではコンピュータに興味を持っていて,素晴らしい。

奥田: 本校の中学3年のような感じがした。ものを色んな角度で見る教育が出来ている。さすが,このレベルでないとあの授業はできないのではないか。

佐竹: 前回の公開授業は中3でやった。中3生のレベルに助けられたが,中1生を教えていると,そうはいかない。タッチタイピングはやがてやっていけばいいかなと考えている。この時期には,興味付けでまだはやいのではないか。中3時に必要性を教え,練習させている。中1,2生の授業は通常1人で教えている。操作方法は最初丁寧にやっているが,もし忘れた場合は先生に質問しないで,周りの友達に聞くよう指示している。

司会: ここにおられる皆さんは、タイピングは両手でやっておられる。(タイピングの練習をして上達した方と自然に上達した方は半々)。情報の授業にタイピングスキルは入るのか。強制的に教えた方がいいのか,本人が必要になった時点で自分から練習するのがいいのか。健康食品とパソコンスキルのバランスは?

佐竹: 1学期は総合学習とのかねあいから,スキルアップが8割と考えている。引用ばかりではあるが,作品完成をすることによって、スキルを意識しないでスキルアップが図られると考えている。

森本: 入学後,操作の学習は何時間?

佐竹: ワード・エクセルの使い方で5時間。ワードで時間割を作成するのに1時間。エクセルで指定した3つのグラフを作成させるのに2時間。グラフから表を導きさせる。中1ではむずかいしいがやらせた。

司会: 普通,表からグラフ作成であるが,グラフから表を導くのは一般的には考えられないが。

佐竹: 表からグラフは考えなかった。

司会: 食品に関するテーマであったが,スキルが中心で,このテーマはどうか?

佐竹: 題材を何にするのかは,次の学期の授業内容と関連させて取り上げた。コンピュータをやっているのに,何故食品なのかと感じる生徒もいるかも。中1なので自分の知らない情報をお互い共有し,文化祭につなげていくことを考えた。難しい漢字が読めない生徒もいるが,新聞記事の主文を入れ,その他は「中略」として,引用させた。興味を持つ内容を中心にさせた。

司会: 新聞を利用してのNIEという動機付けの意識もあるのでは。

辻: 動機付けについて、息子は身長が伸びると言うことに興味がある。下の息子は筋肉が付くということに興味がある。身長が伸びる食品。筋肉が付く食品は?とすると生徒も興味を持つのではないか。新聞の記事を読むことによって,考えることも必要だが,新聞を作る事で考えさせるということも必要ではないか。

森本: 明日,NIEの研究会が,大阪読売新聞である。

辻: 新聞での教育として,本校の国際科は英字新聞を読ませている。

司会: WEBの新聞社のページを読ませることと,紙の新聞を読むこととの違いは?

森本: 紙は周りの記事が目にはいるが,webはそうならない。新聞を購読していない家庭が増えているのではないか。新聞記事を集めよという指示は出来ないようになってきている。テレビでニュースは知れるので,新聞は必要ないと考えているのでは?購読してないという生徒が今までより増えてきている。

池田: 読売・朝日・日経は読んでいる。新聞は並列的に並んでいるので,関連がとらえやすい。編集者の立場として見ている。

司会: WEBで暮らしの小箱「新聞のいいとこ」「新聞なんていらない」 これは,リベートとして,教材として使えるかも。
メディアリテラシの公開授業を大阪国際滝井の藤本先生がやってくれますが,また,是非参加をしてください。画像や文章の引用については、どう考えておられますか?

辻: 画像などをとってもいいと書いてあればとってもいい。ダメと書いてあればとらない。これでいいいのでしょうか?

佐竹: 自分も分からない部分があるが,作成者の許諾を得るには,中1では無理か? 時間もかかる。

司会:引用は,「させたくない」 か 「させない」 か どうでしょうか? ある先生は,webからは絶対引用させない、自分で作らせる。写真の場合は,ペイントで書かせる、という指導をされておられますが・・・

佐竹: V6の写真を撮るには,それまでにかなりの時間や費用をかけているということを知らせ,それを簡単にコピーしてはいけないと教えている。


17:30 終了  懇親会へ


前回同様に,山本先生や斎尾先生が,手料理(肉じゃが)まで
ご用意して下さり,奥田会長先生も感激されておりました。

重ねがさね有難うございました。

とにかくこんなにホスピタリティーの溢れる学校は,ないでしょうね。
先生方も夜8時,9時ごろまで熱心に仕事をしておられるそうです。
うらやましいほどに教員間の連携が上手くいっているみたいです。
エネルギー溢れる学校ならではですね!