第1回公開授業
  
情報A「イギリス留学の報告書作成」
研究授業
意見交換会
平成13年9月25日(火) 第6限
四條畷学園高等学校 国際コース2年9組
http://www.sg-hs.daito.osaka.jp/
授業者 飯田 英佳 Email iida@sg-hs.daito.osaka.jp



研究授業  情報A「イギリス留学の報告書作成」  

 

教室のようす

 特徴的だったのは、教室の環境です。上の写真は普通教室です。無線LANのターミナルが設置し、生徒は1人1台ずつ貸し出しのノートパソコンを使っています。カバンの中からワイヤレスLANのカードをさっと取り出し、パソコンに装着して普通教室はLANのあるパソコン教室に早変わり!ネットワークを通して、校内のファイルサーバから、写真をコピーして貼り付けたり、印刷も、教室の後ろでワゴンにのせたプリンタに、ネットワーク経由で印刷!普段、授業をうける教室でも、こうして日常的にパソコンを使える環境はいいですね。

 2年生国際コースの生徒は、   にイギリスにホームステイしたそうです。そこで体験したことを、レポートにまとめるという単元を、英語・数学の合科で実施。
 本時の授業では。日本語・英語の両方で作成したレポートに、写真をいれたり、レイアウトを整えるなど、読み手に伝わるようなさまざまな工夫の仕方を指導。授業の終わりにはプリンターから印刷し、仕上がり具合を確認しました。相手に伝わるように表現を工夫する。情報活用の実践力を育てる授業といえるでしょう。


 プリンタで出来栄えを確認

授業者のコメント

 たくさんの先生方に見学に来ていただき、とてもやり甲斐がありました。 内容は「情報A」の一番指導し易い箇所だと思います。英語担当である 担任と授業時間の協力をして、イギリス留学報告書を作成しようと相談 しました。文化祭での展示と冊子編成とを目標に、生徒もかなり関心を 持って取り組んでくれました。

参加者の感想

  • 生徒が、とても熱心に取り組んでいた
    • 自分の授業を公開するのは勇気のいることです。本日はありがとうございました。生徒が、全体的に集中して授業に参加している様子がよくわかりました。
    • 現在の高校生のコンピュータに対する知識を初めて見ることができて、大変参考になりました。
    • 生徒が、前向きに学習活動をしていてよい雰囲気だった。
    • 生徒が熱心に取り組んでいたので感心しました。進学をメインに据えているような学校では、情報はどの程度取り組めるのか不安です。

  • 実際の授業内容が、とても参考になった
    • 「自分自身の留学報告書の作成」という課題設定がよかったように思う。生徒が、取り組む意欲がもてるので。情報を指導するのに最も大切なものは、いかに生徒の問題意識を高めるかであると思う。
    • 参考になりました。具体的な授業のイメージがつかめていないのが多くの学校の現状だと思う。「楽しく見せる報告書」の手法は、色々な内容で使えそうだと感じた。
    • 実際にやってみるのと、自分が思っていた理想が結構はなれている気がしました。まだまだ情報の授業の方法には、今後、検討の必要がありそうだということを改めて感じました。

  • 学習者の人数に対する指導者や補助の数の問題
    • 自分は40人クラスを一人で受け持っており、進度の調節が大変である。授業を拝見して、30人程度のクラスが、情報には理想かもしれないと感じた。
    • 無線LANによる普通教室でのコンピュータ利用の授業を見学したのは初めてだった。お一人での指導でしたが2人でのティームティーチングの方がよりよいのではないか。

  • 無線LANのネットワークに感激
    • 先生の説明のペースで生徒が操作できており、文書等の内容に集中する余裕が感じられた。快適に学べる良い環境と構築されている。
    • 普通教室で、30人が一斉にノートパソコンでネットワークにつなげることを実際に見て驚いた。
    • 無線LANサーバなどネットワーク環境が整備されており授業に幅のある展開ができる点がうらやましい。

  • 実際に見てみて、色々と参考になった
    • 実際の授業となるとやはり生徒間にはスキルの差が有り、進むペースの調整が、とても難しいように感じた。
    • 実際の授業を見て、「情報」への具体的なイメージが一歩前進した。
    • 来年度から実施するので、とても不安なので、今回の授業雰囲気でとても勉強になりました。
    • 他教科との連携が進むともち時間以外に仕事が増えて対応が大変だ。

     


Top

意見交換会

 授業のあと、意見交換会が開かれました。信愛女学院メディアセンターの長尾先生が進行をされ、今日の授業について、学校の情報環境について、活発なやりとりがされました。その一部をご紹介します。

 

Q1:四條畷学園の情報環境・活用状況について
  •  学内にPCは200台ほど。 コンピュター室は3教室。
  •  インターネットには専用線接続(128K)
  •   サーバはレンタルのWebサーバ(Unix)と、ファイルサーバ(WindowsNT)
  •  職員室にはカラーレーザプリンタ。ネットワーク経由で印刷
  •  貸し出しのノートPC(3人に1台)→情報の授業以外にも、国語で利用
  •  中高一貫の国際コースでは、生徒全員が中学2年時にPCを購入。
  •  無線のLANカードは?→学校で貸与。設定は生徒に自分でさせる。
  •  無線LANのスピードは? →11Mb 画像転送なら40台でも問題はない。  

Q2:生徒のリテラシー・利用モラルについてはどう指導されているか?

  •  公立校からはいってきている子どもとリテラシに差がある。
  •  LANカードを渡す段階で、学園ネットワーク利用についての「誓約書」を発行。
       →アクセスログをとっていることを知らせておく
       →自宅の利用については管理できない
  •  メールアカウントは
       →国際科はWebメール
       →中高一貫国際コースは、学校からアカウント発行。自宅のアカウントを併用しているケースも

Q3:運用・保守の負担について

  •  情報科だけでなく、他の授業でも活用できる可能性は?
     →普通教室で、あたりまえに使える環境を整備するメリット
  •   サーバ管理者については
       →Webサーバはすべてリモートで業者がメンテナンス

       飛翔館の川崎先生:Netwareのサーバはメーカで保守 外部には接続していないため
       プール学園の小池先生:授業を減らして「情報」の時間を確保。その時間に他教科のサポート、メンテナンス
       清教学園の小林先生:専従の管理者。しかしそれでも1人でできる量ではない。

Q4:指導体制について

  •  情報としてのカリキュラムはまだ確立していない
  •  英語と数学のTT。技術科、数学の時間の一部を活用。
  •  教師は40人に対していつも1人か?
      特にTTは設定していない。短大では助手がいるが
      羽衣学園の米田先生:TT+助手で3人体制でなんとかやっている状況
  •  普通コースの選択(2年で2単位、3年で4単位)としてコンピュータ
  •  普通教室でPCを使うのと、コンピュータ室で使うのとでメリット・デメリットは?
      →メリット:生徒のスキルアップ
       デメリット:トラブルが起こった場合の対処
       基本的なことは1年のうちにコンピュータ室で習得、2年からノートPCを利用。
       2年以降はPC室はほとんど使っていない
  •  中高一貫国際コースでは?
      →技術科と別に特設で情報科(連続2時間)を設けた。中学技術の教師と飯田先生のTTで指導
      →留学先でWebページをつくる活動など

Q5:普通教室での情報機器の利用法は?

  •  生徒1人1人が使うのではなく、教師がPCとプロジェクタを使って教材提示するような授業はどの程度されているか?
     ←黒板も使いながらスクリーンもつかえるような方法とか。
     →公立の整備計画はこういう方向。本校では生徒が自分で使うものなので、あまりそういった実践はされていない
     ←プール学園では、どの教室でも無線LANに接続できる。イメージは近いが、スクリーン、プロジェクタ、PCを持って回るのは大変。しかし、コンテンツも整備されてきているし、環境が整えば、どこでも使いはじめるだろう。


Top Back